
ブログ
BLOG
- 2020.01.02
- #その他
腰痛学校
広島・廿日市のパーソナルトレーナー藤田です。
このブログでは僕が読んだ本の紹介もしていこうと思います。
先日、伊藤かよこさんの「人生を変える幸せの腰痛学校」という本を読みました。

人生を変える幸せの腰痛学校
題名の通り腰痛に関する本で、特に慢性的な腰痛を改善することを目的としたものです。
『読んで治す』と書かれていたので、ちょっとうさんくさいなぁとも正直感じていたのですが、
最終的には自分の中に新しい視点ができて、読んで良かったと思ったのでシェアしたいと思います。
ほとんどの腰痛の原因は正確にはわからない
実に84%の人が一生に一度は経験するといわれている腰痛ですが、まずこの本で言われていること、
それは、ごく1部を除いて、「腰痛の原因ははっきりとわかっていない」ということです。
例えば腰椎の椎間板が飛び出てしてしまう、腰椎椎間板ヘルニアという病気があります。
痛みがない人の腰を調べてみたところ、その76%もの人が椎間板ヘルニアになっていたというデータがあります。
あくまでも痛みを持っていない人です。
つまり椎間板ヘルニアだという診断を受けても、腰の痛みとは関係していないことがほとんどだということです。
(あくまで全てが無関係なのではなく、病院を受診することが無意味ということではありません)
他にも、腰部の筋肉の炎症が原因だとするものもありますが、
これもまだ研究段階で確証はないとのこと。
僕たちトレーナーは、腰の痛みがあるクライアントさんに対して
様々なチェック法を用いて原因を追求しようとします。
具体的にいうと、
骨、筋肉、椎間板、人体、筋膜、自律神経、血行、炎症、冷え、運動不足、、、などが様々挙げられますが、
腰痛は一病多因でありそもそも原因は1つではありません。
そのため、いくら原因を追求しても、正確コレ!というものが無いのです。
原因追求が意味がない!ということではなく、それには限界があるということ。
これはトレーナーとして頭に入れておくべきことだと思いました。
プラシーボ効果の偉大さ
腰痛ではないですが、こんな研究があるそうです。
変形性膝関節症(→膝の軟骨がすり減って痛みが出る状態)の患者に対して、
①手術を受けたグループと、②ただ皮膚を切るだけのグループとでは、その後の痛みや機能の改善度に変化がなかった。
これは要するに②のグループはプラシーボ効果により①と同様の改善が見られたということです。
手術と同様って、すごいですよね。
プラシーボ効果について、これまで僕はなんとなく良いイメージを持っていませんでした。
なんだか騙したりダマされたりというイメージがくっついてるというか。。
でもプラシーボというのは実際に脳内の物質に変化を及ぼしていることが分かっており、確かな『効果』であることには間違いないようです。
ちなみにプラシーボ効果の逆を「ノーシーボ効果」というそうです。
痛みを意識すればするほど、どんどん痛くなる。。。
それだけ「思い」や「考え」は体に大きな影響を及ぼすのですね。
現時点で最も科学的根拠の信頼が高い腰痛の治し方
- 腰痛の原因はハッキリしない。
- 「思い」「考え」が痛みに影響する。
以上のことを踏まえて、今時点で最も科学的根拠の信頼が高い腰痛の治療法は2つある、と、この本では述べられています。
それは、
- 運動
- 認知行動療法
です。
適度に体を動かすことが体にとって良いことは言うまでもありませんね。
どんな運動をすれば良いか?については本の中ではハッキリとは書いてありませんでしたが、
自分にとって気分が良くなる、気分がスッキリするものが良いかと思います。
ウォーキングでも、エアロビでも、ヨガでも。
「認知行動療法」とはどいうことかというと、
腰や腰痛に対する不適切な考え方や行動を変えることです。
具体的にいうと、まずは、
・腰痛の原因について考えるのを辞めて、腰痛を治そうと思わない
こと。
ん?
って感じですよね。
腰痛の原因を知ることは大事でしょ!と思うところですが、
先ほど述べたように、そもそも原因を特定するのは困難なのです。
そして原因が分からなくても腰痛は治る。
だから治そうと思う必要はない、ということです。
もう1つの具体的行動はこれ。
・腰痛以外のことを考える
痛いよ〜、痛いよ〜、と痛みに注目をしているとノーシーボ効果で痛みは増幅します。
なのでその逆のプラシーボ効果を生み出せばいいわけです。
楽しいことを考える
楽しいことに取り組む
ワクワクすることを考える
今やるべき目の前のことに集中する
こんな感じです。
本の中では運動もこれにあたりますし、瞑想なども紹介されていました。
瞑想、いいですね〜。僕もやってます^^
この本は小説になっています。
慢性的な腰痛に悩まされて自分の不幸を腰痛のせいにしている登場人物たちが、次第に腰痛を受け入れ、そして自分の人生を幸せに過ごすべくチャレンジを積み重ねていく物語です。
さっくり読めるのでとても読みやすかったです。
ストーリー自体はフィクションですが、
腰痛に関する科学的なデータは本物です。
慢性的な腰痛をお持ちの方や、腰痛患者に接する機会のある方は是非読んでみて下さい。
僕も、認知行動療法についてもう少し詳しく調べてみようかな。
では。